国際労働運動vol.58-コロナ危機と医療福祉の現場

国際労働運動vol.58『コロナ危機と医療福祉の現場』を発行しました。全国の書店で6月27日発売予定(500円+税)。

羅針盤/関生・武委員長奪還! 安倍打倒へ

コロナ危機と医療福祉の現場
■社会保障の破壊が招いた命の危機
■最前線で闘う労働組合の現状報告

はじめに

1 「マスク・防護具を寄こせ!」
医療・介護・福祉、保健所から

医療 感染拡大とたたかう現場から
⑴ 5・1生きさせろメーデー 厚労省前行動から新たな闘いへ
⑵ 熱外来を開始、地域医療を取り組む八尾北医療センター
⑶ 高槻医療福祉労組の取り組み

介護 介護保険制度破綻の中から闘いの火の手
⑴ 特養ホームでのコロナ感染対策を現場の闘いで認めさせた!
⑵ 訪問介護現場に闘う労働組合を!

福祉 団結して福祉を取り戻す
⑴ 力を合わせて、共同作業所を守り抜こう―作業所にしおぎ館の実践
⑵ 障害福祉を奪うな! 緑風園からの退所攻撃と格闘中

保健所 ウイルス感染対策の最前線機関

2 子どもたちの命を守る 保育 職場の団結と労働組合の闘い

保育 「保育とは」の新しい議論と実践
労働組合として闘い、職場支配権を握る
資本主義を倒し、労働者が社会を回す

児童館 安全で楽しい居場所をいかに守るか

3 住宅も年金も国と資本で保障を
住宅 全米で広がる家賃不払い―レント・スト
〝命つなぐ居所〟奪った緊急事態宣言

年金 年金破綻を加速させる安倍

4 労働組合のスローガンは全世界共通

世界の闘い 社会保障解体下の労働者の団結
⑴ アメリカで労働者の生存をかけストライキ続々
⑵ フランス「地域行動をともなった医療スト」
⑶ イタリアの公的医療破壊と労働運動の広がり
⑷ ブラジルは南米の「感染震源地」になった
⑸ 香港2003年のSARSの体験、医療労働者のストで「出入国閉鎖」

結語 コロナ危機に立ち向かう労働組合の闘い

NEWS & REVIEW
ヨーロッパ/コロナ経済危機下の大量解雇の波

■マルクス主義・学習講座
『ドイツ・イデオロギー』(第10回=最終回)

(一部内容紹介)

コロナ危機と医療福祉の現場
■社会保障の破壊が招いた命の危機
■最前線で闘う労働組合の現状報告

はじめに

新型コロナウイルス感染拡大の危機に立ち向かう医療福祉の現場からのレポートを集めました。マスコミでもあまり報じられることのない労働組合の闘いの現状報告です。
コロナ危機があらわにしたのは、新自由主義が大量の非正規職労働者を生み出し、労働者に対する低賃金化が進められて、貧困が拡大してきたこと。医療や福祉など社会保障部門が金もうけの道具、資本の食い物にされ、利潤を生まない事業は切り捨てられて、社会全体が破壊されてきたことです。このことを、多くの労働者が命の危機の中で心の底から実感することになりました。コロナ感染の拡大と深刻化、長期化の中で、こうしたコロナ危機に立ち向かう労働組合の再生と飛躍をかけた闘いが広がっています。
ここに焦点を当て、コロナとの闘いの最前線で奮闘する現場からの報告を軸に、新自由主義による社会保障破壊への批判と労働組合の闘いの展望を明らかにしていきます。
第1部は、医療・介護・福祉、保健所の現状と労働組合の取り組みのレポートです。とくに医療では、大阪の八尾北医療センターと高槻医療福祉労組から寄せられた報告を載せています。コロナ感染が急激に拡大する中で、医療労組はこれにどう対処し立ち向かっているかが、具体的に示されます。これまで自力で診療所を建設し地域医療を担ってきた歴史と貫かれてきた理念がコロナ危機のもとで活かされ、大きな展望を開いていることに感動と確信を与えるような中身です。介護職場、福祉職場では、コロナ感染対策としてどういうことが問題となり、労働組合の闘いとしてどう取り組まれていったかが明らかにされていきます。病院と共に感染対策の最前線に位置する保健所からの報告では、保健所の業務と労働組合の闘いの課題に加えて、「富国強兵」と戦争遂行、国家と資本のための「社会防衛」のために保健所がつくられ運営されてきたという経緯、それに対する労働組合の闘いの方向が示されます。
第2部は、保育所と学童保育・児童館での子どもたちの命を守る保育についての報告です。ここでは現場のこと、子どもたちのことを一番よく知っている労働者・労働組合が、職場で徹底的に議論し、団結を固めて、具体的な要求を出して闘うことで当局との力関係を変え、職場支配権を取り戻していく教訓が語られています。
第3部は、労働者の住宅と年金をめぐる問題についてです。コロナ危機は大恐慌の引き金となって、大失業と貧困をいっそう深刻化させています。家賃を払うことができず住むところも奪われる事態に、「レント・ストライキ」(家賃不払い)運動が巻き起こっています。
第4部は、欧米やブラジル、アジアの労働組合が新自由主義による医療崩壊に対して、万国共通の闘いを繰り広げていることに焦点を当てています。少数労組が全体を獲得してゼネストを実現していく闘いは、日本における闘いの路線を打ち立て進めていく手本となるものです。
この冊子がコロナ危機と大恐慌に立ち向かう労働組合の武器となることを願っています。