国際労働運動vol.51-EU離脱で大揺れのイギリス

国際労働運動vol.51『EU離脱で大揺れのイギリス』を発行。全国の書店で発売中(500円+税)。

■羅針盤/改憲阻止の本番へ進もう

EU離脱で大揺れのイギリス
■離脱混迷の根底にあるEU危機の深化
■新自由主義うち破る労働者のスト決起

はじめに

Ⅰ 世界の激動とEU離脱――戦後のイギリス階級闘争を総括
【1】EU離脱に至るイギリス・EU関係
⑴ 第2次世界大戦―戦後革命とイギリス労働党
⑵ 73年EEC加盟実現直後から「離脱か残留か」の分裂
⑶ サッチャーと保守党18年長期政権
⑷ 「ニューレーバー・新労働党」ブレア登場
⑸ 東欧圏崩壊によるEUの変貌とイギリスのEU離脱衝動
【2】08年世界大恐慌とEU・ECB・IMF下のヨーロッパ
⑴ 07年パリバ、08年リーマン・ショック
⑵ 世界大恐慌と争闘戦激化の下でのEU
【3】イギリスとアイルランドの歴史

Ⅱ EUの基軸ドイツ経済の失速――核心は自動車産業の衰退

Ⅲ EU労働者のゼネスト決起――イギリス、イタリア、スペイン、フランス、ドイツから
■イギリス
病院、航空、郵便などでストライキ
■イタリア
新政権に対しゼネストで決起
■スペイン
カタルーニャ分離・独立運動、50万人のデモとゼネスト
■フランス
黄色いベスト運動、1周年を迎え、労組との連帯強める
■ドイツ
ベルリン都市高速鉄道の民営化阻止の闘い
■難民問題の新たな展開―― 排外主義との闘い

●翻訳資料
米統合参謀本部が『核作戦』報告書
――核先制使用の具体的計画――

●学習資料 ベトナム戦争時の米軍内の抵抗運動(下)

◆社会保障解体と闘う(37)評価制度を粉砕した草津病院労組

■マルクス主義・学習講座
『ドイツ・イデオロギー』(第3回)

(一部内容紹介)

EU離脱で大揺れのイギリス
■離脱混迷の根底にあるEU危機の深化
■新自由主義うち破る労働者のスト決起

はじめに

2016年、僅差の国民投票結果でメイ英首相は、「国家主権をEUから取り戻す」とイギリスのEU(欧州連合)離脱を表明した。その直後から「国民投票のやり直し」を要求する党派を超えた大規模デモが広がった。
離脱案をめぐる国論二分の数年を経て、2019年7月、メイ首相が退陣し、同じく保守党のジョンソン首相のもとで19年10月の期限を迎えた。離脱強硬派ジョンソンの「期限内離脱強行案」をイギリス国会は否決した。
現在、ジョンソン政権は、20年春までの離脱延期をEUに申請し、EUがそれを承認した。12月総選挙を提案し、決着を付けたいと提案しているがその見通しはつかない。
イギリスのEU離脱問題は、イギリス社会の激震にとどまらず、EUを揺るがしている。イギリスは経済力でドイツに次ぐ位置を占める。かつての大英帝国から没落したとはいえ、金融的にはアメリカに次ぐ世界的位置を占めている。世界的な産業サプライチェーンの位置も大きい。さらにEU内外からの外国人労働者、移民・難民の受け入れ国としても独自の関係をつくってきた。
軍事では、NATO(北大西洋条約機構)の一員として独自の軍事力を誇示している。最近のホルムズ海峡緊張の局面では、トランプの提案する「有志国軍隊」の派遣にヨーロッパで賛同している唯一の国である。
すでにイギリスは、19年5月に行われたEU議会選挙には参加していない。労働目的でイギリスに入国する外国人は、前年に比して40%減少している。最も多数を占めるポーランドからの出稼ぎ労働者は、最大時には100万人に及んだが、16年以降は減少し続けている(13㌻の図参照)。
第Ⅰ章は、EU離脱問題を戦後イギリス階級闘争史の全面的な総括の視点から捉えている。そしてEU危機とも一体であることを提起している。
第Ⅱ章は、EUの基軸であるドイツ経済の危機がEUの存立を揺るがすものであると暴く。
第Ⅲ章は、ゼネスト決起を含んだEU諸国階級闘争を紹介している。まさにここに未来がある。