国際労働運動vol.43-教育改革を逆転 UTLAスト

国際労働運動vol.43『教育改革を逆転 UTLAスト』を刊行。全国の書店で発売中(500円+税)

■羅針盤/3月を闘い4月杉並区議選へ

教育改革を逆転 UTLAがスト
■ロサンゼルスで3万人スト、7万人集会
■学級人数の大幅削減=教員増、賃上げ

Ⅰ UTLAストが全情勢を転換――チャーター化=民営化に反撃
⑴ 公立学校民営化と教組破壊の最前線
⑵ 反撃に転じる教組のストライキ
⑶ 「教育改革」を逆転――暫定協定

Ⅱ ストライキ組織化の核心――仲間を大切にし会話を重視
⑴ 組織化=労働者解放
⑵ イノウエ書記長の国際連帯と組織化
⑶ 「内ヘの組織化」と「外への組織化」
⑷ 全米規模の闘う潮流の形成
⑸ 他産業でも画期的闘い
⑹ 中南米・メキシコ人民の大決起
⑺ 監獄国家アメリカの破綻

Ⅲ 対中貿易戦争は世界戦争の道――土台から没落・崩壊が進む米帝
⑴ アメリカ製造業の不可逆的な没落
⑵ 「知的財産権」――ルールをつくるのはアメリカ
⑶ 中国に対する争闘戦の激化
⑷ 中東支配の腐敗の極致
⑸ 戦争の根源=帝国主義打倒を

NEWS & REVIEW
韓国/3~4月ゼネスト総力闘争に突入した民主労総

■「繰り返すな戦争シリーズ」を学ぼう
―日米安保と沖縄― 第1回

■社会保障解体と闘う(32)「無償化」は公立園つぶし

■マルクス主義・学習講座
一から学ぶ『共産党宣言』(第9回)

(一部内容紹介)

教育改革を逆転 UTLAがスト
■ロサンゼルスで3万人スト、7万人集会
■学級人数の大幅削減=教員増、賃上げ

はじめに

日本の国鉄分割・民営化、イギリスの炭鉱労組破壊、アメリカのPATCO(連邦航空管制官労組)全員解雇、これが世界の三大労組破壊であり、1980年代の全世界の新自由主義化の突破口になった。
アメリカで、そのPATCO全員解雇を乗り越える、歴史的な空港闘争が行われ、トランプと支配階級全体を震え上がらせた。1月25日、ニューヨークのラグアルディア空港の航空管制官が一斉に「病休」などで出勤せず、事実上のストライキに入り、空港を閉鎖に追い込んだ。あの1981年のPATCOスト以来初めての管制官による空港閉鎖だ。レーガン政権のPATCO指導部逮捕(手錠姿をテレビでさらし者に)、スト参加者全員解雇・ブラックリストで他職場への再就職も妨害、フードスタンプ(低所得者用の食糧切符)受給も禁止という徹底した弾圧が、労働運動全体を威圧し、本格的な新自由主義への転換点となった。
だが、今回、ラグアルディア空港の完全封鎖以外にも他のいくつかの空港が止められたが、トランプは空港管制官に手を出せなかった。
昨年のウェストバージニア州の全学校スト、そして今年1月のUTLA(ロサンゼルス統一教組)ストなどの大ストライキの波は、力関係を一変させた。おしゃべりトランプが、全米のメディアであれほど報道されたウェストバージニア州ストにもUTLAストにも完全に沈黙を守っているのは、打撃の大きさを示している。航空管制官も自信を持って闘いに決起している。
この闘いは、トランプ政権の連邦政府機関閉鎖への怒りから始まったものだ。トランプは、昨年12月22日、「メキシコとの国境に壁を建設する費用を議会が予算法案に計上しないかぎり、法案への署名を拒否する」として、政府機関閉鎖を始めた。当該の連邦公務員80万人の賃金は払われない。そのうちの一部は、緊急性のある業務に指定され、業務は停止されないのに、賃金は支払われない。それが1カ月以上続き、家賃やローン支払いの期日も過ぎている。我慢がならない。多くの連邦公務員が各地で闘いに立ち上がった。
国境の壁建設は、メキシコ人や中南米の人民を極悪人扱いし、排外主義を煽るためのものだ。労働者を分断する策動だ。空港には、多くのメキシコ系移民が働いている。管制官にもメキシコ系がかなりいる。不当な壁建設のために、連邦公務員の賃金を止めるなど、ますます許しがたい。
このラガルディア空港の閉鎖後、トランプは大慌てで、直ちに政府機関の閉鎖を中止した。民主党の議会内での駆け引きなどではなく、労働者のストライキこそが真の力だということを、鮮やかに示したのだ。
〈労働者の団結への恐怖〉――これこそがトランプを突き動かしている。
トランプは、もともと経済、政治、外交、軍事、あらゆる面でド素人だ。そこを突いて、さまざまな既成勢力がトランプを批判している。だが、トランプは、労働者の団結に恐怖し、それへの鋭敏な感覚を持っている。既成勢力は、そのことに触れない。〈団結破壊、分断〉こそがトランプを動かす一切の事柄の軸なのだ。
ほぼすべてのマスコミ、民主党・共和党の既成勢力がトランプを「ロシア疑惑」などで攻撃している。しかしトランプを追い落とす手前で立ち止まっている。それは、労働者階級の巨大な決起を恐れる支配階級は、その点で先んじているトランプに依存してもいるからだ。
今、アメリカ労働者階級は、80年代のレーガン反革命、新自由主義下の労働運動の後退を乗り越え、30年代以上の大激闘に向かいつつある。昨年のウェストバージニア州をはじめとして全州規模の学校ストライキの拡大が突破口を開いた。今年1月のロサンゼルス大ストライキは、さらに意識的に闘いを組織し、全米ゼネストを準備するものとなっている。それどころか国境を越えたゼネストだ。ロサンゼルス統一教組は、すでにメキシコ、カナダ、イギリスの教組と組織的関係を持ち、今回のストの過程でも意識的に国際的結合の強化を打ち出した。07年以来の日本の全国労組交流センター教育労働者部会、動労千葉との関係も大きい。
ここに対中戦争、世界戦争――核戦争――に向かっているアメリカ帝国主義を打倒し、労働者が全世界を獲得する展望がある。
本論文は第Ⅰ章でUTLAの大ストライキ闘争の勝利の偉大な成果について明らかにした。第Ⅱ章ではUTLAがこのストライキ闘争を勝利させるためにいかなる組織活動を展開したのか、その教訓を明らかにした。第Ⅲ章では没落・崩壊する米帝の現状について言及した。