国際労働運動vol.37-世界大戦の道 トランプ貿易戦争

国際労働運動vol.37『世界大戦の道 トランプ貿易戦争』を刊行。全国の書店で発売中(500円+税)。電子書籍版も近日発売(AmazonKindle、400円)。

世界大戦の道 トランプ貿易戦争
■世界を破壊する米中制裁・報復合戦
■羅針盤/安倍の改憲・戦争阻止する大行進を

はじめに
Ⅰ 世界覇権めぐる米中貿易戦争
――米帝の没落と中国の台頭
【1】貿易戦争の放火者はアメリカ
⑴ トランプ通商政策が18年本格発動
⑵ 中国との「合意」を踏み破る米国
⑶ 南北朝鮮首脳会談、米朝首脳会談と一体の過程
⑷ 通商と軍事―米韓FTA再交渉
⑸ 自動車・部品に追加関税を課す輸入制限を検討
【2】米帝の没落と戦後体制の破壊
⑴ 世界大恐慌の進展・激化としてついに貿易戦争が火を噴いた
⑵ 貿易のラセン的縮小と世界経済の収縮の始まり
⑶ 中国の全面的屈服を要求
⑷ ハイテク(先端技術)分野での攻防
⑸ 通商問題と軍事問題の一体性
⑹ 世界支配をかけた対立
【3】帝国主義同士の激突へ
⑴ WTOの枠組みを破壊
⑵ EUとの対立の表面化

Ⅱ 自動車をめぐる日米争闘戦――日帝最後の生命線=自動車産業
⑴ 日帝製造業の衰退と自動車産業
⑵ 海外市場への依存深める自動車産業
⑶ 自動車めぐる日米争闘戦
⑷ 国家的争闘戦として激化

Ⅲ 戦争・改憲を阻止しよう――自民改憲案の国会提出を許すな
⑴ 帝国主義の戦後世界体制
⑵ 帝国主義規定を解体する日本共産党
⑶ 改憲阻止・日帝を打倒しよう

News & Review
ヨーロッパ/トランプの戦争政策と西欧帝国主義

■社会保障解体と闘う(27)シェアハウス投資の破綻

●学習論文
第一次世界大戦突入時のドイツ階級闘争(下)

■マルクス主義・学習講座
一から学ぶ『共産党宣言』(第3回)

(一部内容紹介)

はじめに

青年・学生を先頭に、労働者人民の未来をかけて改憲阻止決戦の壮大な爆発をかちとろう。
臨時国会での発議を狙う安倍の改憲案は、新たな条文としての「9条の2」を新設することで、現行9条を解体し、もって9条を柱に成り立っていた憲法体系全体を自衛隊と戦争を主語としたものへと180度転換させるものである。そして、憲法と同時に、階級的力関係をひっくり返し、自衛戦争の名による侵略戦争、軍事力による勢力圏獲得戦への歯止めを取り払おうとしている。
それは何よりも、目の前で進行している資源・市場・勢力圏をめぐる争闘戦と、切迫している朝鮮戦争情勢に、必死にかみこみ、主体的に参戦することをかけたものである。日本帝国主義(日帝)・安倍政権は、歴史的にも現在的にも、戦争のできない帝国主義、核兵器を持たない帝国主義として、重要な政治・外交過程から弾き飛ばされている。
日帝が存立基盤としてきた戦後世界体制の最後的崩壊と争闘戦・戦争の時代への突入の中で、その危機性は極限的になっている。そこからの突破と死活的飛躍をかけて、安倍政権は改憲攻撃に必死に突き進んでいるのだ。ゆえに改憲阻止は日帝打倒以外には決着のつかない闘いだ。
こうした日本帝国主義の危機性をつかむためにも、争闘戦・戦争の時代の全体像を明らかにするものとして、米中を軸に勃発している貿易戦争に焦点を当てる。
第Ⅰ章は米中貿易戦争についての分析である。貿易戦争は完全に1930年代的様相に発展し、戦後史を画する事態へと進展している。その核心はアメリカ帝国主義(米帝)の没落であり、トランプ政権が国家の存亡をかけて非和解的な通商政策を開始したということだ。戦後世界体制の破壊者として登場し、世界を分裂・対立・争闘へとたたき込んでいるのである。
それは、米中の対立として始まっているが、米欧日の帝国主義同士の激突へと発展していかざるをえない。そのことが、鉄鋼関税の発動と自動車関税の検討で表面化した。
この点を第Ⅱ章で、自動車産業をめぐる世界的争闘戦として明らかにしている。それは世界市場の争奪戦と覇権争いであり、資本と国家を貫くつぶし合いの時代への突入である。何よりも自動車産業は日帝の存在を左右する唯一無二の生命線であり、ここでの争闘戦の非和解的激化は日帝を絶望的危機にたたき込んでいる。これこそ安倍改憲攻撃の根底にあるものだ。
こうした米中貿易戦争と帝国主義間のむき出しの対立、世界戦争の時代への突入を明らかにすることが本稿の主目的である。
その補足として第Ⅲ章で、戦後世界体制について若干、基本的考え方を述べておいた。現在の社会体制は「資本主義の最高の発展段階」としての帝国主義である。戦後世界体制とは、大恐慌と世界戦争という破局を引き起こしながら、革命運動を圧殺したスターリン主義の存在によって延命した帝国主義が、米帝を唯一絶対的な基軸国とすることによってかろうじて成立した体制だ。戦後世界体制の崩壊こそ、階級闘争が戦争と革命の激突となる時代への突入だ。歴史選択をかけた闘いとして改憲阻止決戦に立ち上がろう。