国際労働運動vol.25-東芝解体危機 沈む日本経済

国際労働運動vol.25『東芝解体危機 沈む日本経済』を刊行。全国の書店で発売中(500円+税)。電子書籍版も発売中(400円)。

羅針盤/11・5労働者集会に結集しよう

東芝解体危機 沈む日本経済
■アベノミクス破産で崩壊的な構造に
■大恐慌・改憲・戦争に国際連帯で闘う

はじめに

Ⅰ アベノミクスで矛盾が拡大――緩和依存深め破局と戦争へ

⑴ 日本資本主義の生命力は尽きた
⑵ アベノミクスの破滅的経済構造
⑶ 生産年齢人口の減少

Ⅱ 進む製造業の歴史的衰退――「輸出立国」の土台が崩壊

〔1〕東芝・タカタ・JDI
⑴ 東芝/崩壊の危機にあえぐ
⑵ タカタ/エアバッグ破裂で倒産
⑶ ジャパンディスプレイの経営危機
〔2〕主要産業について
⑴ 電機産業は衰退を象徴
⑵ かつてのトップ産業
⑶ 自動車産業
〔3〕 日本帝国主義の絶望的延命策
・トランプ政権登場と争闘戦の激化
・ インフラ輸出・勢力圏の確保

Ⅲ 17~18年改憲阻止決戦へ――戦争と革命の時代に突入

⑴ 限界超えた日本帝国主義の危機
⑵ 戦後憲法体制とは何であったのか
⑶ 改憲阻止し革命へ

News & Review
韓国/2年目を迎えたサード反対闘争
日本/北朝鮮ミサイルで「Jアラート」

■社会保障解体と闘う(18)「子どもの貧困」と教育現場

■マルクス主義・学習講座
『賃労働と資本』を読む(第1回)

(一部内容紹介)

はじめに

米トランプ政権の登場が、日本経済の土台を揺り動かしている。製造業の歴史的衰退で浮揚する力を失ってしまった上に、異次元の金融緩和策の破産的展開でさらに脆弱な構造を抱え込んでしまった日本経済は、争闘戦の非和解的激化に決定的打撃を受け、崩壊的危機を深め、改憲・戦争に突き進む以外になくなったのである。
世界は07年パリバ・ショック―08年リーマン・ショックから10年を経て、大恐慌と戦争の本格的激化の時代に直面している。昨年6月の英国のEU離脱決定の衝撃は、その秋の大統領選でのトランプの勝利をもって、戦後世界体制の最後的崩壊を決定づけた。
トランプ政権登場を規定しているのは米国の歴史的没落であり、それは戦後体制が成り立つ唯一の条件であった基軸国が逆にその破壊者となり、世界経済はいよいよ統一性を失って分裂・対立していく以外にはないのである。
……
この中で、日本経済はすさまじい危機にあえいでいる。
そもそも、日本はサブプライムローン問題の直接的影響がわずかだったにもかかわらず、リーマン・ショックで大打撃を受けた。それは日本経済が90年代以来、低成長の現実に沈みきっていたからであり、ここからまったく抜け出せないからである。それは一時的政策を超えた、日本資本主義が抱える歴史的危機である。この深さと根拠をえぐり出すことが本論文の主要課題であり、そのことを通して日本革命の現実性と展望もまた明らかにしていくことができるであろう。
▼アベノミクスとは何であったのか
何よりも、アベノミクスの柱として安倍・黒田が展開してきた金融緩和策が、4年間たってもまったく何の道筋も描くことができなかったのである。「デフレマインド」と表現されてきたものは、日本資本主義が陥っている予想を超える歴史的停滞だったのだ。しかも、緩和策の継続と極限的拡大によってさらに矛盾をためこんで、とんでもなく脆弱な経済構造になってしまったのである。大恐慌の再激化・本格的激化が直撃すれば、たちどころに崩壊していく状態に陥っている。それが安倍を、他に選択肢がないものとして改憲と戦後労働法制の全面改悪へと駆り立てているのだ。このことを第1章で述べている。
▼製造業の歴史的衰退が核心
そして、その歴史的停滞の根拠こそ、製造業の衰退である。タイトルにもなっている東芝の解体的危機が、その核心として劇的に進行している。この日本を代表する電機資本・東芝の危機やタカタのエアバッグ破裂問題などを通して噴き出してきた問題は、生産力・技術力のレベルでの崩壊的現実である。そしてまた、歴史的には米国による対日争闘戦が日本企業の成長力を力ずくで奪い去り、それによって中国や韓国の企業に次々と敗北してきたことも突き出している。その上で、自動車産業をめぐる大再編情勢が国家の存立基盤を揺るがしているのだ。日本の製造業を瀬戸際に追い込み、とりわけアジア市場をめぐる争闘戦が日本にとって死活的であり、その勢力圏化と再分割戦への絶望的踏み込みが改憲・戦争を不可避にしているのである。これが第2章である。
▼改憲阻止は歴史的決戦
以上の結論は、改憲阻止決戦が「戦争か革命か」をかけた内乱的死闘以外にありえないということだ(第3章)。
日本経済の崩壊的現実によって、戦後憲法体制のもとでは、資本主義の支配がもはや成り立たなくなってしまったのである。階級関係をひっくり返し、対米関係でも挑戦的に登場し、何よりも朝鮮戦争に主体的に参戦していかなければ、安倍政権にも資本家階級にも一切の延命の道はない。こんな体制は打倒し、労働者・学生自身の手で未来をたぐり寄せる歴史的決戦に立とう。11・5集会こそその展望を開く闘いだ。