国鉄分割・民営化と闘って30年 労働運動の変革をめざして

『国鉄分割・民営化と闘って30年/労働運動の変革をめざして』(国鉄闘争全国運動 編)を発刊(発行・出版最前線 発売・星雲社 1800円+税)。全国の書店で発売中。ISBN978-4-434-23520-7

国鉄闘争全国運動が編集した『国鉄分割・民営化と闘って30年/労働運動の変革をめざして』が発刊された。本書は、国鉄分割・民営化から30年の節目にあたり、国鉄闘争の総括と今後の展望を明らかにするため、8人の執筆者によって書かれた。本書発刊に向けての討議は、国鉄1047名解雇をめぐり不採用基準の策定そのものが不当労働行為だったことを確定させた2015年の最高裁決定から始まった。以来約2年に及ぶ討議が本書に結実した。
本書は、動労千葉を中心に国鉄闘争を叙述している。動労千葉は1972年の船橋事故闘争以来、三里塚ジェット燃料輸送阻止闘争、動労本部からの分離・独立、国鉄分割・民営化反対闘争、外注化阻止闘争など、およそ「不可能」「非現実的」と言われた困難な課題に立ち向かってきた。組合員の団結と「労働者階級は必ず立ち上がる」という深い信念・信頼にのみ依拠して、30年の闘いは継続されてきた。
〈労働者は団結して闘うことができる。それは必ず階級情勢を転換させる〉〈国鉄労働者、そして全国の労働者は必ず立ち上がる〉という信念において、動労千葉はけっして敗北主義や絶望に陥ることなく、真に大衆的に闘い、階級闘争におけるひとつの「革命」を成し遂げた。
動労千葉は反合理化・運転保安闘争を基軸的路線としながら、現場組合員一人ひとりと向き合って議論し、小さな「勝利」を積み重ね、闘争への組合員の確信と信頼を形成する中で団結を強化してきた。これが、あらゆる困難に立ち向かい、これまでの「常識」を覆して勝利を手にする力になった。
韓国をはじめ米欧、全世界で始まった労働者の流動と活性化は、日本の労働者階級の深部でも起きている。都議選の結果もそれを示した。「労働者階級は必ず立ち上がる」「労働者は団結して闘える」――この精神を失わず、階級全体を獲得するために闘えば、必ず階級闘争の敗北の歴史を覆すことはできる。
マルクス・エンゲルスは『共産党宣言』で、プロレタリア革命はブルジョアジーの善意や空想的プランで行うものではなく、労働者階級自身の事業であること、階級闘争を通して労働者階級は自らを組織し、革命を遂行して新たな社会を建設する能力を獲得することを明らかにした。本書はこの『共産党宣言』の神髄を立証し、未来の展望を示している。
職場で労働者が団結し全力で闘うときが来た。労働運動の変革をめざし、本書を徹底的に活用しよう。

〈目次〉
刊行によせて 葉山岳夫(国鉄闘争全国運動呼びかけ人、動労千葉顧問弁護団長)
まえがき 田中康宏(国鉄千葉動力車労働組合委員長)

第1章 動労千葉の出発点――反合理化・運転保安闘争
伊藤 晃(国鉄闘争全国運動呼びかけ人、日本近代史研究者)
第1節 1972年船橋事故闘争
第2節 70年代反合理化・運転保安闘争
第3節 戦後反合理化闘争批判としての運転保安闘争
第4節 三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止闘争
第5節 動労千葉の分離・独立へ

第2章 80年代国鉄分割・民営化阻止闘争
藤村一行(労働学校講師)
第1節 第二臨調と「戦後政治の総決算」
第2節 国鉄分割・民営化攻撃
第3節 動労千葉の2波のストライキ闘争
第4節 国労修善寺大会と国鉄改革法の制定
第5節 87年4・1を突き抜けた動労千葉

第3章 1047名解雇撤回闘争と動労千葉
井町哲生(動労千葉を支援する会)
第1節 1047名闘争の位置
第2節 1047名闘争を生み出した前倒し84時間ストライキ
第3節 5・28反動判決と4党合意
第4節 1047連絡会と鉄建公団訴訟
第5節 「4者・4団体」の政治和解

第4章 外注化に立ちはだかる動労千葉
片峯潤一(国鉄闘争全国運動事務局、動労総連合書記)
第1節 新自由主義下における外注化攻撃
第2節 JR東日本における外注化
第3節 外注化を阻止し続けた闘い
第4節 外注化強行とその後の闘い
第5節 新自由主義時代の労働運動の展望

第5章 国鉄闘争の火を消すな! 国鉄闘争の新たな全国運動
白井徹哉(国鉄闘争全国運動事務局)
第1節 労働運動の力を取り戻すために
第2節 国鉄闘争全国運動結成の意義
第3節 暴かれた「国鉄改革の真実」
第4節 解雇撤回へ闘いはこれからだ

第6章 国際連帯闘争――戦争と民営化に反対して
金 元重(国鉄闘争全国運動呼びかけ人、韓国労働運動史研究家)
山本弘行(国鉄闘争全国運動呼びかけ人、動労千葉国際連帯委員会)
第1節 国鉄闘争が切り開いた国際連帯
第2節 海を越えた不起立闘争、国際連帯の拡大と発展
第3節 韓国・民主労総との連帯と交流
第4節 国際連帯の経験が示すもの

第7章 労働運動の変革をめざして
田中康宏(国鉄千葉動力車労働組合委員長)
はじめに
第1節 新自由主義へ立ち向かった闘いの歴史
第2節 闘う労働組合への脱皮
第3節 船橋事故闘争と反合・運転保安闘争路線の確立
第4節 ジェット燃料貨車輸送阻止闘争と動労本部からの分離・独立
第5節 国鉄分割・民営化反対闘争
第6節 戦後最大の労働争議――国鉄1047名解雇撤回闘争
第7節 JR外注化阻止・非正規職撤廃闘争
第8節 その他いくつかの闘い
第9節 労働運動の変革をめざして

あとがき 布施宇一(動労千葉顧問)