国際労働運動vol.13-超切迫する日本経済大崩壊

国際労働運動vol.13『超切迫する日本経済大崩壊』を刊行しました(定価500円+税)。全国の書店で発売中。電子書籍版も発売中(定価400円)。

国際労働運動vol12表1−4

■羅針盤/11月国際共同行動へ

超切迫する日本経済大崩壊
■アベノミクス―異次元緩和は大破綻
■大恐慌と世界戦争危機を世界革命へ

はじめに
Ⅰ 安倍・黒田の緩和策が破産――戦時経済への一途をたどる日銀
⑴ マイナス金利政策への突入で緩和策の破産が噴出
①国債大量買い入れ政策の限界/②マイナス金利政策への突入/③実体経済の低迷/④金融危機と国債暴落の切迫/⑤三菱UFJの国債特別資格返上の衝撃
⑵ 戦後的枠組みの破壊を狙うアベノミクス
①戦後の日銀のあり方の大転換/②財政の留め金を外し戦時財政へ/③株式市場への公的マネーの大量投入/④一部の大資本だけがぼろ儲け/⑤改憲・戦争こそアベノミクスの核心
⑶ 緩和策が破綻し「ヘリコプターマネー」へ
①解決不能の根底的危機にある日本経済/②ヘリコプターマネー論の台頭/③世界大恐慌の一大焦点
Ⅱ 日帝・基幹産業が争闘戦で敗北――再分割戦へ戦時下の資本再編
⑴ 日本経済の根底的危機を示す基幹産業での衰退
①製造業をめぐる競争での敗退/②鴻海によるシャープ買収と電機産業の衰退/③三菱自動車不正問題と自動車産業の再編
⑵ 争闘戦の激化の中での帝国主義資本への再編
①『帝国主義論』と新自由主義/②独占の進行と海外展開
⑶ 日帝の延命戦略としてのインフラ輸出
①勢力圏化への国家的踏み込み/②鉄道・原発と武器の輸出/③勢力圏の再分割戦としての戦争
Ⅲ 革命こそが労働者の生きる道――大恐慌と戦争は資本主義の破産
⑴ 安倍再改造内閣と経済対策
⑵ プロレタリア革命こそ労働者の回答

NEWS & REVIEW
韓国/9月第2次ゼネストへ進む民主労総
■東京―ソウル11月国際行動へ――日韓4労組が全世界に呼びかけ
日本/7・26相模原事件と労働者の立場

●社会保障解体と闘う(9)年金加入期間縮め自己責任に
■マルクス主義・学習講座
1918年ドイツ革命の教訓(12)

(一部内容紹介)

超切迫する日本経済大崩壊
■アベノミクス―異次元緩和は大破綻
■大恐慌と世界戦争危機を世界革命へ

はじめに

5月伊勢志摩サミット(G7)を議長国として迎えた安倍は、会合後の演説で「世界経済の成長率はリーマン・ショック以来の最低を記録した」「世界の貿易額もリーマン・ショック以来の落ち込みだ」と「リーマン・ショック」という言葉を繰り返し、それ以来の最大の危機の局面にあることを騒ぎ立てた。
これは直後の消費増税見送りと財政出動への「国際公約」を取り付けるために極めて政治的に準備したものだったが、それは他ならぬ日本経済自身がまさにその世界大恐慌の現実から抜け出せず、最大の危機にあえいでいることを満天下に明らかにするものとなった。しかも、その財政出動での国際協調も、年明けから必死に追求したにもかかわらずまったく相手にされず、何の合意もつくり出せないまま分裂と対立はより一層表面化したのである。

米財務省が日本を「監視リスト」に指定

それに加えて決定的事態が起きた。このサミットに至る過程で、米財務省が日本を為替政策の「監視リスト」に指定したのだ。不当な通貨安誘導に制裁発動できる「為替操作国」の一歩手前の指定だ。そして「偏った円高」を確認しようとする日本政府に対して、「市場の動きは秩序的だ」「日本は外需ではなく内需に目を向けろ」とはねつけたのだ。日米の為替をめぐる対立は決定的になった。
大恐慌と争闘戦の激化が安倍政権と日本経済を直撃し、底知れぬ危機にたたき込んでいるのだ。

大恐慌は激化・深化の真っただ中

07年パリバ・ショック―08年リーマン・ショックを契機に爆発した世界大恐慌は、史上空前の超金融緩和策による繰り延べで極限的矛盾を抱え込み、いまや本格的激化・深化への真っただ中にある。大恐慌情勢は、全世界の労働者階級の根底的闘いとなって各国の政治支配・階級支配を揺さぶっている。6月の英国の国民投票でのEU離脱決定はまさに、EUと英国政府の新自由主義政策による首切り・賃下げ、労組破壊、地方切り捨てに対する労働者階級の積もりに積もった怒りとして爆発した。そしてこれは戦後世界体制の最後的崩壊への引き金となり、世界史はまったく新たな段階に入ったのだ。
世界大恐慌もEU崩壊情勢を最大の焦点にして再激化していく。そして帝国主義諸国同士にロシアや中国を巻き込んだ争闘戦を激烈化させ、中東、ウクライナ、東アジアで戦争情勢が火を噴き、朝鮮戦争・世界戦争に向かって急回転している。これが日本経済を根底で規定している。

日本経済こそ世界大恐慌の一大焦点

アベノミクスによってとてつもない大崩壊に向かう日本経済こそ世界大恐慌の一大焦点だ。何よりも安倍と黒田の異次元金融緩和策は、国債と株の大量買入れに続いてマイナス金利政策にまで至り、破綻に破綻を重ねながら、もはや後戻りすることもできず、破滅へ向かって進んでいる。いまや財政膨張を日銀が直接支える「ヘリコプター・マネー」論まで公然と噴き出し始め、戦時経済への一途をたどっているのだ。

本論文の第Ⅰ章では、このアベノミクス―異次元緩和策の破産した姿を全面的に暴露する。本誌の昨年10月発行号「破滅寸前の日本経済」をベースに論じており、異次元緩和策開始の13年4月から15年までの詳しい内容は前提にしている部分も多いので、ぜひ昨年号も参照してほしい。今回は特にマイナス金利政策と「ヘリコプター・マネー」を中心に、資本主義体制そのものが根底的に行き詰まっていることを論じている。
第Ⅱ章では、日本経済の根底的危機として争闘戦での敗退と基幹産業の衰退があり、そこからの生き残りをかけた独占資本の大再編が行われていることを論じている。それは戦争へ向かっての国家と資本のあり方の大転換である。新自由主義の末期的破産の中であらためて国家的利害を背景にした資本の展開となり、世界市場をめぐる資本同士の争奪戦とつぶし合いが帝国主義間の領土・勢力圏も含めた再分割戦として火を噴き、戦争を不可避にしているのである。
第Ⅲ章は、命脈の尽きた資本主義を労働者の力で倒すことこそがただ一つの展望であることを訴えている。改憲・戦争の安倍政権を倒し、ゼネストと国際連帯でプロレタリア革命を切り開こう。それが本論文の結論である。